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AI用語集:生成AIの用語をやさしく解説
結論
この用語集では、生成AIを使うときに出会う約60の用語を、モデルと学習、テキストとLLM、画像・動画生成、音声、安全性と法律というテーマ別に解説します。各項目にやさしい意味と短い例をつけたので、モデルカード、設定パネル、ニュース記事の内容を、専門知識がなくても読み解けます。
モデルと学習
モデルとは何か、どのように作られるかを表す用語です。テキスト、画像、動画、音声のどのモデルにも当てはまります。
| 用語 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 人工知能(AI) | 本来は人間の知能が必要な作業をこなすソフトウェア | 翻訳、顔認証ロック解除、チャットアシスタント |
| 機械学習 | 人が書いたルールではなく、例からパターンを学ぶAI | ラベル付きメールで学習したスパムフィルター |
| ニューラルネットワーク | 単純な素子を何層もつなげ、つながりの強さを学習するモデル | 現代の画像モデルや言語モデルの中核 |
| モデル | 学習済みのネットワーク本体。学習した数値のファイルと、それを動かすコード | チャットボットなどのアプリは、1つ以上のモデルを動かしている |
| パラメータ(重み) | モデルの内部にあり、学習で調整される数値 | 7Bのモデルには約70億個のパラメータがある |
| 学習データ | モデルが学ぶ元になる例 | Webのテキスト、ライセンスを得た書籍、画像とキャプションのペア |
| 事前学習 | 幅広いデータで行う、最初で最大の学習段階 | Web規模のテキストで次のトークンを予測できるようになる学習 |
| ファインチューニング | 既存のモデルを、小さく絞ったデータセットで追加学習すること | ベースモデルをカスタマーサポートの回答で学習する |
| LoRA | Low-rank adaptation。元の重みを変えずに、安く微調整できる小さな追加ファイル | 画像モデル用の画風やキャラクターのLoRA |
| 基盤モデル(ファウンデーションモデル) | 多くの製品や微調整の土台になる、大規模な汎用モデル | チャット、検索、コーディングツールを動かす1つのLLM |
| オープンウェイトモデル | 重みをダウンロードして自分で動かせるモデル。ライセンスで利用が制限されることもある | オープンなモデルを自分のパソコンで動かす |
| 推論(インファレンス) | 学習済みのモデルを動かして出力を得ること | 「生成」を押すたびに行われる処理 |
| 量子化 | 重みを少ないビット数で保存して、品質をわずかに落とす代わりにモデルを小さく、速くする手法 | ノートパソコンに収まる4ビット版のモデル |
| マルチモーダルモデル | テキストと画像など、複数の種類のデータを扱えるモデル | 写真について質問する |
テキストと大規模言語モデル
チャットアプリ、APIの設定、LLMに関する記事でよく見る用語です。
| 用語 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 大規模言語モデル(LLM) | 次のトークンを予測するよう学習した、大規模なニューラルネットワーク | ChatGPT、Claude、Gemini、DeepSeek、Qwenの土台のモデル |
| トークン | モデルが読み書きするテキストの単位。単語、単語の一部、記号など | unbelievable は un、bel、ievable の3トークンになることがある |
| コンテキストウィンドウ | モデルが一度に考慮できるトークン数の上限。入力と出力の合計 | 長いチャットで、最初のほうを忘れ始める |
| トランスフォーマー | アテンションに基づく、ほぼすべてのLLMが使うニューラルネットワークの設計 | GPTはGenerative Pre-trained Transformerの略 |
| アテンション | 各トークンが、先行するどのトークンが重要かを重みづけする処理 | スーツケースの文で、it を trophy に結びつける |
| 埋め込み(エンベディング) | 意味を表す数値の並び。似たテキストには似た数値が付く | 質問に似た文書を探す |
| プロンプト | モデルに与える入力 | このメールを2文で要約して |
| システムプロンプト | 会話の前にアプリや開発者が設定する、見えない指示 | あなたは自転車店の丁寧なサポート担当です |
| temperature(温度) | 出力のランダムさを制御する設定 | データ抽出では低く、アイデア出しでは高めに |
| ハルシネーション | モデルが自信ありげに述べる、偽の、またはでっち上げの内容 | 実在しない論文の引用 |
| RAG(検索拡張生成) | 先に文書を検索し、最適な箇所をプロンプトに入れる方法 | マニュアルをもとに答えるヘルプボット |
| 知識のカットオフ | モデルに学習データがない、その日付以降 | 先月の出来事は知らない |
| 推論モード | 最終回答の前に、モデルが途中の考えを書き出すモード | 一部のチャットアプリで「思考中」と表示される |
| ツール利用(関数呼び出し) | モデルがアプリにツールの実行を頼み、結果を読む仕組み | 電卓やWeb検索を呼び出す |
| AIエージェント | モデルが計画を立て、目標に向けて複数のツール操作を行うシステム | 複数のサイトをまたいで調べ、選択肢を予約する |
画像・動画生成
Midjourney、Stable Diffusion、FLUX、Veo、Kling、Runway、Seedanceなどの画像・動画ツールに登場する設定と技法です。呼び方はツールによって少し違います。
| 用語 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 拡散モデル | ランダムなノイズから、ステップごとにノイズを取り除いて画像を作るモデル | テキストから画像を作るツールの大半 |
| 潜在空間 | 生のピクセルの代わりに、モデルが作業する圧縮された内部表現 | 潜在拡散は、小さな潜在を生成してから画像にデコードする |
| テキストから画像(text-to-image) | テキストプロンプトから画像を生成すること | 夕暮れの青い壁を背にした赤い自転車 |
| 画像から画像(image-to-image) | 入力画像を手がかりに、新しい画像を生成すること | ラフスケッチを完成したイラストにする |
| インペインティング | 画像のマスクした部分だけを再生成すること | テーブルの上のコーヒーカップを植物に替える |
| ネガティブプロンプト | 避けたいことを書いたテキスト | blurry, extra fingers, watermark |
| シード | 最初のランダムな数値。同じシードと設定なら似た結果になる | シードを使い回して、プロンプトを少しだけ変える |
| ガイダンススケール(CFG) | 出力が、自然さよりもどれだけ強くプロンプトに従うか | 高すぎると色がきつく、アーティファクトが出る |
| ControlNet | ポーズ、エッジ、深度画像で拡散モデルを誘導する追加機能 | キャラクターのポーズを正確に保つ |
| 深度マップ | 明るさでカメラからの距離を表すグレースケール画像 | 視差動画やControlNetに使う |
| アップスケーリング | もっともらしい細部を加えながら、モデルで画像を拡大すること | 512ピクセルの画像を4倍に拡大する |
| テキストから動画(text-to-video) | テキストプロンプトから動画クリップを生成すること | 雨の通りを流れていく紙の舟 |
| 画像から動画(image-to-video) | 静止画を動かしてクリップにすること | 商品写真をゆっくり回転させる |
| 最初と最後のフレーム | 開始画像と終了画像を与え、間の動きをモデルに補わせること | 最初のフレームでは閉じたドアが、最後のフレームでは開いている |
音声
| 用語 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 音声認識(ASR、Speech-to-text) | Automatic speech recognition。話し声を自動でテキストにすること | 会議や動画の文字起こし |
| Whisper | OpenAIが公開している、広く使われているオープンな音声認識モデル群 | 多言語の字幕を作る |
| 音声合成(TTS、Text-to-speech) | テキストを音声にすること | 記事を読み上げる |
| 音声クローン | サンプルをもとに特定の人の声を真似るTTSモデル | 本人の同意を得て、クリエイター自身の声でナレーションを作る |
| 話者分離(ダイアライゼーション) | 録音のなかで、誰がいつ話したかをラベル付けすること | インタビューの文字起こしで話者1と話者2を分ける |
| 単語誤り率(WER) | 文字起こしの間違った単語の割合。音声認識の品質を測る指標 | WER 5パーセントは、約20語に1語が間違い |
| SRTとVTT | 各行にタイムスタンプが付く、プレーンテキストの字幕形式 | 動画プラットフォームに字幕をアップロードする |
安全性、表示、法律
ルールは国によって異なり、頻繁に変わります。この節は一般的な情報であり、法的助言ではありません。
| 用語 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| ディープフェイク | 実在しない人物や出来事を映す、AIが生成または改変した、写実的なメディア | 政治家が言っていない言葉を話す動画 |
| コンテンツクレデンシャル(C2PA) | ファイルの作成・編集方法に関する署名付きの情報を付ける、オープンな標準 | AIツールで編集されたことがわかる写真 |
| 不可視の透かし | ピクセルや音声に埋め込まれ、後からソフトウェアが検出できる、見えない信号 | 生成ツールが作る画像すべてに印を付ける |
| 明示表示と暗黙表示 | 中国の表示ルールで、人が見える表示と、メタデータや透かしに入れる見えない表示 | 動画に付ける「AI生成」の表示と、メタデータのフィールド |
| EU AI法の透明性義務 | AIと話していることを人に知らせ、AIコンテンツとディープフェイクを識別できるようにすることを求めるEUの規則 | ボットであることを明かすチャットボット |
| 学習データの著作権 | 著作物での学習が許されるかという法的な問題。国によって異なる | 複数の国での訴訟や政策報告 |
| ガードレール | 有害なリクエストや出力を防ぐルールとフィルター | 武器の作り方を教えることを断る |
| ジェイルブレイク | モデルに安全ルールを無視させるよう細工したプロンプト | ロールプレイを使って、拒否を回避する手口 |
| プロンプトインジェクション | Webページやファイルに隠された指示で、それを読むAIを乗っ取ること | AIエージェントにデータを別の場所へ送らせるページ |
| バイアス | 出力に現れる、体系的な不公平。偏った学習データから学んだものであることが多い | ある職業の画像が、一方の性別ばかりになる |
混同されやすい用語
ニュースや製品ページでは、いくつかの用語のペアが混同されています。違いによって、取るべき行動が変わることも多いです。
| ペア | 違い | 重要な理由 |
|---|---|---|
| モデルとアプリ | 生成するのがモデル。アプリはインターフェース、システムプロンプト、ツール、保存を加える | 同じモデルのアプリ同士でも、動作が違うことがある |
| トークンと単語 | 1単語が1トークンのことも複数のこともある。数は言語によって違う | 料金と上限はトークンで数える |
| パラメータとコンテキストウィンドウ | パラメータはモデルが学んだもの。コンテキストウィンドウは今見えているもの | 巨大なモデルでも、長いチャットの最初を忘れることがある |
| ファインチューニングとRAG | ファインチューニングはモデルを変える。RAGは質問時に文書を渡す | 頻繁に変わる事実には、通常RAGのほうが簡単 |
| オープンウェイトとオープンソース | オープンウェイトは重みをダウンロードできる。オープンソースは学習コードやデータも、オープンなライセンスで公開されている | 商用利用の前にライセンスを読む |
| 透かしと表示 | 透かしは技術的な信号。表示は人が読める開示 | 法律によっては両方が必要 |
各用語をさらに詳しく知るには、このセクションの関連記事(LLMの仕組み、トークンとコンテキストウィンドウ、拡散モデルの仕組みなど)をご覧ください。
よくある質問
AI、機械学習、ディープラーニングの違いは何ですか?
AIは分野全体です。機械学習は、AIのうち例から学ぶ部分です。ディープラーニングは、機械学習のうち、何層ものニューラルネットワークを使うもので、現代の生成モデルがこれにあたります。
LLMとチャットボットの違いは何ですか?
LLMはテキストを生成するモデルです。チャットボットは、1つ以上のモデルを中心に作られたアプリで、チャット画面、指示、メモリ機能、Web検索などのツールを加えています。
AIモデルにおけるオープンソースとは何を意味しますか?
緩く使われている言葉です。多くの場合、重みをダウンロードできることだけを指します。完全にオープンなモデルは、学習コードやデータの詳細もオープンなライセンスで公開します。商用利用や表示のルールは、ライセンスで確認してください。
モデル名の7Bや70Bは何を表しますか?
パラメータのおおよその数を、10億単位で示したものです。数が大きいほど能力は高いのが普通ですが、動かすのに必要なメモリと計算能力も増えます。
プロンプトエンジニアリングは本当にスキルですか?
はい。明確で具体的な指示を書き、例を示し、適切なコンテキストを与えるという実用的な意味では、スキルです。モデルが普通の言葉による依頼を理解する力は向上し続けていますが、明確な入力のほうが、より安定した出力につながります。